事故・トラブル
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【ドローン事故から学ぶ】平成31年度無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省)

kojidoro
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  • ドローンの事故を知りたい
  • ドローンは墜落するの?

ドローンの事故やトラブルは国土交通省に報告されています。先輩たちが残してくれたメッセージをムダにしてはいけません。

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  • ドローンの事故・トラブルを紹介(国土交通省に報告のあったもの)
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平成31年度(2019)無人航空機に係る事故トラブル等の一覧から紹介

国土交通省 航空局 無人航空機安全課 令和5年8月

ドローンの事故やインシデントを発生させたときは、国土交通省に報告しなくてはいけません。

インシデントとは

事故が発生するおそれのある状態のこと

平成31年度の報告件数は83件ですが、実際に報告しているのはごく一部でしょう。

  • 一部の優良企業
  • 報告せざるを得なかった事故
  • 心から後悔している

この記事では報告書の中から、怖い…驚いた…そんなことある?といった事例を紹介します。

※無人航空機には飛行機やヘリコプターも含まれます。ドローンと同じ無人航空機として参考にしてください。

資料:平成31年度 無人航空機に係る事故等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)

No.3 飛行経路に船、通信悪化で墜落

マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.5kg

事故の内容
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
原因と対策

【原因分析】

飛行経路の周辺に船舶等があったことから、機体と送受信機の通信に影響があったものと考えられる。

【是正措置】

離陸直後に動作確認を確実に行い、不具合が確認された場合は、是正後に飛行させる。

電波はビルなどに当たると反射しますが、障害物がなければ直進します。

海上では反射するものがないだけに、船に遮られると、通信環境が悪化することが予想できます。

No.9 山の裏側に行ったら通信ロスト、紛失

マルチコプター、プロペラ除く直径約60cm、最大離陸重量約3.4kg

事故の内容
  • 建設現場の確認のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。
原因と対策

【原因分析】

飛行経路上の山が遮蔽物となり、通信環境を悪化させたものと考えられる。

【是正措置】

事前に現場状況を確認し、危険個所の対応策を考える。

山の裏側にいくと電波は届きません。

GPSは機体に届きますが、機体と送信機の通信は別です。

No.16 向かい風でバッテリー消費、海上に墜落

マルチコプター、プロペラ除く直径約24cm、最大離陸重量約0.32kg

事故の内容
  • 飛行試験のため無人航空機を飛行させていたところ、バッテリーが切れ、海上に墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は12時間以上。
原因と対策

【原因分析】

向かい風により、機体に負荷がかかってバッテリーが想定よりも早く消耗したものと考えられる。

【是正措置】

バッテリー残量の半分程度となった場合や飛行目的が達成できた時点で速やかに帰還させる。

海上のドローン事故でダントツに多いのが、強風によるバッテリーの消費、墜落です。

地上と違い、海の風は休まないし、遮るものもありません。

ドローンは機体の姿勢を安定させるのに、常にフル回転です。

海上で飛ばす場合は、近距離にしておきましょう。

No.21 バッテリー脱落、墜落

マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.5kg

事故の内容
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突如機体の動作が停止し墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
原因と対策

【原因分析】

機体とバッテリーの落下地点が異なっていたことから、飛行中にバッテリーが脱落したものと考えられる。

【是正措置】

飛行前にバッテリーが確実に取り付けられていることを確認する。

毎年起きているのがバッテリーの脱落です。

DJI Mini 4 Proの場合はカッチンと取り付けることができます。

めんどうですが、microSDカードの脱落も防止できるので、テープで止めるのも良いかもしれません。

急な操作もやめましょう。

No.22 ファームウェアの不具合で制御不能、紛失

マルチコプター、プロペラ除く直径約41cm、最大離陸重量約1.9kg

事故の内容
  • 研究のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
原因と対策

【原因分析】

無人航空機の製造者に問い合わせたところ、ファームウェアによる不具合が原因との報告があった。

【是正措置】

ファームウェアのアップデート後に当時の状況を再現した飛行を実施し、不具合が起こらないことを確認した。

ファームウェアはスマホのアップデートのようなものです。

こればかりはどうしようもありませんが、本飛行の前に慣らし運転をすることをおすすめします。

更新した直後は要注意です。

No.52 自動帰還中、樹木に接触、墜落

マルチコプター、プロペラ除く直径約60cm、最大離陸重量約3.4kg

事故の内容
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
原因と対策

【原因分析】

緊急操作で自動帰還機能を作動させたが、機体周囲の樹木等の障害物に接触し墜落したものと考えられる。

【是正措置】

現在検討中

自動帰還中の墜落事故が多く発生しています。

高度設定が低すぎると、樹木などに当たってしまいます。

自動帰還させない操縦をするのが基本です。

No.67 送信機のバグで制御不能、紛失

マルチコプター、プロペラ除く直径約1m、最大離陸重量約7kg

事故の内容
  • 試験飛行のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は1時間未満。
原因と対策

【原因分析】

地上制御装置ソフトウェア(操縦装置)のバグによるもの。異常値(無限大の値)を含んだ高度変更指令が地上制御装置から生成・アップリンク(送信)され、それにより無人航空機が異常動作を起こした。

【是正措置】

バグの修正。(潜在的バグ含む)不具合発生においても確実な操作介入ができるように、信頼性基準を明確化屋外での飛行試験時にテザー拘束(係留装置)を使用する。など

送信機のバグはどうにもできませんね…

それにしても、15kgもの機体が紛失とは…どこにいったのでしょうか?

無限大の高度変更指令ということで、宇宙まで飛んでいってしまったかもしれません…泣

No.73 崖の上を飛行、通信悪化、突風で紛失

マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.5kg

事故の内容
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は30時間以上。
原因と対策

【原因分析】

崖の上を飛行したことで電波障害又は突風に流されたものと考えられる。

【是正措置】

飛行経路の状況や地形などを確認し障害物に十分注意して飛行させる。

の上と同様に、の上も通信環境や風速が変化しやすい地形です。

見えない電波と風を、どれだけ見れるかが運命を分けます。

HUNTER×HUNTERでいう「凝」ですね。

No.78 上空の強風で紛失

マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.5kg

事故の内容
  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、風に流されて紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は18時間以上。
原因と対策

【原因分析】

上空では想定以上の強風が吹いていたと考えられる。

【是正措置】

飛行前に風速や風向きの確認を徹底する。

地上で風が吹いていたら、上空ではもっと強い風が吹いています。

せっかく現場に来たから飛ばしたい!

その気持ち、わかります。しかし、そこが運命の分かれ道です。

一度、ほどほどの風のときに、低高度で飛ばしてみるのも勉強になります。

事故の原因

事故の直接的な原因件数
操縦ミスによる接触44
天候不良(風、砂など)11
制御不能7
通信ロスト7
整備不良4
機体のトラブル4
航空機(ヘリなど)との接近1
バッテリー低下1
バッテリートラブル1
センサーのトラブル1
自動帰還(RTH)1
その他1

制御不能はどうしようもありませんが、次の3点に気をつければ多くの事故を防ぐことができます。

ドローン事故の原因
  • 操縦
  • 天候
  • 通信ロスト

操縦ミスを防止するためには、ドローンの飛行練習が効果的です。

おそらく、多くの人が練習もせずに飛ばすはずです。(わたしがそうでした…)

旋回や8の字などの基本操作を身につけてから空撮に挑みましょう。

いきなり山・川・海で飛ばすと墜落します。

まとめ

この記事では、平成31年度(2019)の報告書からドローンの事故やトラブルを紹介しました。

避けようのない事故にも見えますが、どこかにサインがあるはずです。ちいさな違和感を大切にしてください。

ドローンはおもちゃではなく航空機

すこしでもドローンの怖さが伝わればなによりです。

ありがとうございました!

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